美を感じる力と森田療法
ここで修養の第一の出発点は、物事に対する「感じ」を高めて行く事である。我々は、見るもの・聞くもの何かにつけて、ちょっと心をとめていれば、必ず何かの「感じ」が起こる。かりそめにも、これにちょっと手を出しさえすれば、そこに感じが高まり、疑問や工夫が起こって、興味がわく。これを押し進めて行けば、そこにいくらでも、進歩がある。

出典「森田正馬全集」第五巻P425

上記のように森田療法では感じる力を高めることを、重要視しています。また私が入院森田療法を受けた三聖病院においても、美術史スライドという時間があり、宇佐晋一院長の解説のもと世界の様々な美を見せていただきました。これも感じる力を高めるために行われていたものです。

ただ感じる力といっても、対象が森羅万象となり非常に広いので、ここでは分かりやすく美を感じる力をテーマとしていきたいと思います。何を美しいと感じるかは、生来の感性、その人が興味を持つ対象、発育環境などが影響し、千差万別、十人十色です。アメリカのグランドキャニオンのような壮大な風景を美しく感じる人もいれば、その辺の道端に咲いているタンポポのような草花を美しく感じる人もいます。



症状に陥っているとき、私は何かを見て美しいと感じたことはありませんでした。そのような心の力がなかったし、心の働きが停滞していたので、何を見てもグレー色のように見えて、感動を起こすことができなかったです。しかし感じる力は非常に大切であり、症状のあるなしに関わらず、この力を高めることでその人の世界が格段に広がります。

また自ら何らかの作品を創作することも、感じる力を高めるには効果的です。森田正馬医師は短歌などを創作していました。形外という雅号をつかっており、この意味は既成概念の形にとらわれず、その外にあるということです。森田医師らしい雅号だと思います。

そこでここでは、私が好きな作者のCG(コンピュータグラフィック・(C)YUME & SAKURA)を紹介したいと思います。サムネイルをクリックすると拡大します。ついでに私の短歌(日替り更新・(C)ふじたろう)も載せておきます。こちらは美しいとはいえませんが、参考にしてくださいね。



今日の短歌



TOP










inserted by FC2 system